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蒼いまんまが、いい。

book・art

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

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腑抜けども、悲しみの愛を見せろ  本谷有希子





今週2冊目。

若手女性劇作家の作品です。

と言っても、戯曲じゃない。

れっきとした小説。

こんな日本語、こんな風に使えたんや、

毎行読むたびにそう思わされる。

人間の深層心理がえぐいほど書き出されて、

読み手の心臓に直接伝えてくるみたい。

脳を鷲掴みにされて、心臓にナイフを突きつけられるような。

そんな切迫感のあるストーリーがリズムよく展開される。


自分が唯一無二の女優になれると信じてやまない姉、澄伽。

女優の才能はなく、あるのはただ高いプライドだけ。

澄伽の逆鱗にとあることで触れ、それ以来おびえ続ける妹、清深。

その二人の妹を幸せにする義務感だけに囚われた兄、宍道。

宍道を無我夢中で慕い続ける嫁、待子。

この4人が一堂に会してしまったが故の憎しみ、愛しさ、切なさ。

自分の存在を地球上に求めすぎた4人が、苦しくて、空しい。

それでもそうやって生きるしかない4人が、生きていく様。

息詰まることで、生きていることを初めて実感する、みたいな。

そんな印象が焼き付く。


佐藤江梨子主演で映画化もされたようです。

これは舞台、映画、小説、すべてが異なる世界かもしれない。

大変なことです。

劇作家の本や戯曲を読むと、

私みたいな人間が言葉を綴っちゃいけない、と思ってしまう。

目の前に「本谷有希子」を突きつけられた感じ。

どうだ、これを見ろ、と。

人間の一番腐った部分をここまで書きだせる人は、

世の中にどれくらいいるだろうか。

そして腐った部分がここまで切なく書きだせる人も、

世の中にそういないだろうと思う。

2回目を読み返すと、澄伽の言動が全て切なく見える。

それもまた、魅力。

あぁ、こうやってまた劇作から遠ざかりそうになる。笑

それでも数日後には自分をへこませるような作品を

読んでいたいと思ってしまうんでしょう。

強くて切なくて憎らしいのに、妙に爽快なラスト。

これを再生ととるか、絶望ととるか。

演劇好きならずとも楽しめる作品だと、思います。



今週は2.5冊でした。

さて、来週は何冊でしょうか。

みずうみ

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http://www.amazon.co.jp/gp/aw/d.html/ref=aw_mp_1/?a=4101359326&uid=NULLGWDOCOMO

この前衝動的に買った本を、読み終わりました。

よしもとばななさんの、「みずうみ」。

簡単に言うと、私の好きな話でした。笑


恋愛の話、というか、ただそれだけでもなくて、

主に家族の話、というと、ただそれだけでもなくて。

人間同士がしっかりと交流することの暖かさ、

傷を持っていることは恥ずかしいことではない、ってこと、

離れられない人がいることの誇り、

そんなものを見られたような気がします。


主人公のちひろは、繊細であってどこか図太くて、

そんなところが人間くさくて、すごく好きで。

恋人になっていく中島くんも、図太くて繊細で、

人間が持ってるものを少しずつ自分のものにして、

そういう過程がある意味生々しくて、すごく好き。

飾らなくて、それでも自分を捨てたわけじゃなくて、

どこか迷いながら生きている人間もきれいだな、と思わされた。


ちひろの一人称で描かれる流れるような文章が、

すごく居心地のいいカフェに流れる空気みたいで、

いつまでもその中に漬かっていたかった。

またすぐに読み返そう、そう思える作品でした。

今の私に染みやすかった作品なのかもしれない。

きっと、元気なときに読んでも、

少しへこんだときに読んでも、

どちらにしても心地いいなぁっていう、

水に浮かんでぼーっと空を見てる、そんな物語でした。


抽象的な表現しかできないのは、

私がこの物語を具体的に表現するのはもったいない、

と思ったから。

気になった方はぜひ読んでみてください。

よしもとばななさんファンならずとも楽しめると思います。

ただし、ゆるい流れが好きじゃない人はダメかも。

結構、ゆるいです。笑

急がずに読めて、私は好きですが。

新潮文庫の新刊なので、書店で平積みになってるはずです。

興味のある方は、ぜひ。

GOEMON Rock

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画像粗い…



今から五右衛門ロック!

待ちに待った公演です。

楽しみー♪

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家庭教師に向かいながら歩いている途中の空です。

素敵な空です。



私は、本を読んだり舞台を見たり映画を見たりすると、

しばらくぼぅっとします。

今まで浸っていた世界に片足を突っ込んだまま。

現実かその世界かが不確かな中にぼぅっとする。

ちゃんと現実と虚構の区別はついてますが。苦笑

今も、さっき読んだ「親指の恋人」の世界に浸っています。

出会ったその日に恋をして、お互いに溺れて、

二人の世界がどんどん、あっという間に3週間で変わっていく。

結末は最初にわかっていたけど、その過程が生々しいほど熱くて、

お互いがそれほどまでに必要なことに気付くのに時間がからなくて、

でも二人は違いすぎるから一緒にいるにはああするしかなくて、

それでもお互いの存在をしっかりと繋げて、

二人は最後、幸せだったんだろうと思います。

あんなにも誰かを必要として、何も厭わずその人のために自分を捨てて、

そうやって求めあった澄雄と樹里亜を思うと涙が出ます。

やっぱり石田衣良はいいなぁ。

切ないけど。

悲しいのに爽やかって、ずるいわ。。

切なすぎるけど。



今から、石田衣良をもう一冊。

「娼年」を読みます。

読書

今日は久しぶりに、読む、と決めて本を読みました。

昨日区立図書館で借りた、石田衣良の「親指の恋人」。

読み終わって5分ほどしてから、涙が流れました。

なんだか、主人公達2人が私達に重なった気がしたから、かな。

上手く言えないけど、すごくよくわかる。



今から、家庭教師に行ってきます。

Kyoto

昨日の京都はありえんくらい暑く、人が多く…

おかげさまでちょっぴり焼けてヒリヒリしております。

昨日のメインイベントは観劇でした。


羊と兵隊

作・演出 岩松了
出演 中村獅童 辺見えみり 田畑智子 近藤公園 ほか

とある戦争下のとある家族。
この家の長男ルイ(中村)は数日後に出征を控えていた。
裕福なこの家庭には家政婦(田畑)や家庭教師(高橋理恵子)がおり、
二世代議士アマノとの政略結婚が迫る長女ナナ(辺見)と
奔放な次女キキ(田島ゆみか)も共に暮らしていた。
ところがこの家庭には大きな秘密があった。
それはルイが偽の雇われ長男であること。
この家庭の両親(岩松了、佐藤直子)が、
本物の長男ルイ(中村二役)を出征させたくないがためである。
終わらない戦争、それぞれの歪んだ関係、その負の連鎖は止まらない。


簡単にあらすじをまとめてみましたが。

昨日も言ったように…

感想は簡単に言うと「わからん」。

題名から連想できるように、戦争の話やったんですが、

その年代とか設定がよくわからないまま終わってしまった感じ。

こだわってるっていうのはよくわかるけど、

そのこだわりに偏りがありすぎたんじゃないのか?と…

ちょっとチェーホフを意識してるんでしょうか、

家族の歪んだ関係性やら、特にチェーホフの好む要素が多数。

姉妹、家庭教師、裕福な家庭…

その割には明快さに欠けていたと言うか。

それぞれの役柄のキャラクターがしっかりしてるのに、

背景とか流れが全然しっかり見えてこなかった…

最後に次女が自殺するくだりもよくわからなくて、

さらに、「結局本物のルイはどうすんの!」っていうね。

愛憎やら男女愛やら家族愛やら戦争やら政治やら…

いろんな要素があったけど、見終わったらすごくじっとりした。

脳みそが不完全燃焼で…

私の勉強不足かもしれんけど、テーマが読み取りにくかった感じが拭えず。

個人的に田畑智子が好きなので、ずっと目で追ってました。

メイド服が妙に似合ってかわいかったです。



こんな感じやったので、あんまり観劇後の分析トークも弾まず…

マコちゃんが連れてってくれたのは、京きなな

きなこアイスの専門店です。

祇園のこんな路地にひっそりと佇まいを構えていました。

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THE・京都、って感じの路地に若干テンションが上がりつつ、

人気店ということで15分少々の待ち時間。

急須と湯呑であったかいほうじ茶が運ばれてくるという嬉しさ!

そして私が頼んだのはきななハポン

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黒ごまきなな、よもぎきなな、プレーン(きなこ)きななの3種類が盛られ、

さらに底にはわらびもち、そばぼうろ、八つ橋、あんこ、白玉…

盛りだくさん!

そして写真左にある器に入っているのが、できたてきなな

これが恐ろしいほどのおいしさ!!!!!

きなこの風味と柔らかい口当たり、とろける食感。

パフェに入っているきななとはえらい違いです!

できたての柔らかさは、食べないとわかりませんね!!

ちなみにお値段、きななハポンは1000円、

できたてきななのハーフサイズ(通常は2個1セット)が+200円、

合計1200円也。

相当お腹一杯になるボリュームです。

本当にお腹一杯で困ったぐらいです。苦笑

ちなみにマコちゃんはベリーベリーきななでした。

気になった方は、お取り寄せも出来るらしいのでHPを覗いてみては…

京きななHP


その後は四条の商店街を案内してもらい、服やら雑貨やらを見て回る…

結局買ったのは茄子の漬物だけなんですが。笑

そして夕方5時ぐらいに河原町駅で解散しました。

マコちゃん、ありがとう!

久しぶりに京都をしっかり歩いた気がします。



今日から、スケジュールを見ると8連勤のようです。

ああ、きっと小中高の勉強の総復習にはもってこいな仕事ですね。

明日も朝から、校舎を一人で切り盛りしてきます。

新校舎であまりに暇なので、しっかり内職道具も持っていこう…



では、おやすみなさーい。

月

観劇、鑑賞メモ

今年から研究も本格化したので、もっぱら映画と芝居に通ってます。

金銭的な問題があるので、ギリギリのラインでですが…

とりあえず、今月も給料日を待って、いろいろ観に行きました。

ちょいと、メモ。


・<映画> ゲキ×シネ 『SHIROH』  劇団☆新感線

・<映画> ゲキ×シネ 『朧の森に棲む鬼』  劇団☆新感線

・<演劇> 精華演劇祭vol.10 『刻むルール』  売込隊ビーム

・<映画> 『花より男子ファイナル』

・<映画> 『ぐるりのこと。』

・<演劇> 『かもめ』



最近思うのは、演劇を学問として扱うようになってから、

「純粋に楽しむ」ことはできなくなったなぁ、ということ。

どの映画や演劇を見ても、

「このシーンはあのシーンを起因として…」

「ここでこの台詞を言わせることで、次の気持ちに…」

とか、いらんことを考えてしまいます。

「あーおもしろかった!」

という感想は一切なくなりました。

研究者としては当たり前ですが、一観客としたら嫌なタイプです。笑

今は研究している身なので、とりあえずそういう思考回路になっていることを喜ぼう。


この夏で、来年の卒論に向けての資料を大量にかき集める必要があります。

とりあえず、戯曲を買い集めて読み漁ることにします。

それから、DVDを観て上演とも比較して…

細かいデータと劇評なんかを元に、自論を展開しなければ。

エンターテイメントを研究すると、

はまるか、嫌いになるか、どっちからしいです。

幸いにも、より好きになれてよかった…苦笑


それと、念願にも、劇団☆新感線『五右衛門ロック』のチケット入手!

久しぶりの新感線生舞台です。

去年1月の『朧の森に―』以来、1年半ぶり!

といっても、今回からはメモを取りながら観なきゃいけないでしょう。

金銭的な事情により、一番悪い等の席を取ったので…

きちんとメモを取れるほども見えるかが心配ですが。

ちゃんと研究してきます。


といいつつ、明日も専門の授業。

たった1限だけですが…

今期ラストの授業なので、頑張ってきます。


溶けるような暑さがマシになることを祈って、おやすみなさい。

もはや

7月!!!!

おっそろしいことです。

1日は、実は記念日(といわれています)。

なんと、3年4ヶ月です。

(別れてた期間がこまぎれすぎて、細かい計算は割愛。笑)




さて、6月の総括をしてみようかなぁ、と。

今回は主に、芸術関係の総括を。

細かいですが、6月前後も含めて計算すると…


演劇

・売込隊ビーム「最前線にて待機」

・拳銃ストリップ「星に願いて候也」

・ヨーロッパ企画「あんなに優しかったゴーレム」

・7色ぴ?MAN「淀川近男の物語」

・スクエア「法廷式」

・劇団往来「セチュアンの善人」


美術展覧会

・ルーブル美術館展@神戸市立博物館

・液晶絵画展@国立国際美術館

・ルノワール+ルノワール展@京都国立近代美術館

・モディリアーニ展@国立国際美術館


映画

・アフタースクール@シネリーブル神戸

・ぐるりのこと。@シネリーブル神戸(予定)



計12本!!!

3日に1回近くは何かを見たことになってます。

お金かかりすぎ。笑

まぁ学割とかを活用はしたものの…

でも、いろいろ吸収した一ヶ月でした。


いろんな意味で、焦ってるんですよね。

こんなにちまちましたことでいいのか、とか。

もっと大きく何かを発散しなきゃいけないのに、とか。


演劇の世界では、女性演出家はまだナメられます。

女性、ってだけで。

さらに、一般劇団での学生演出家なんてもってのほか。

めちゃめちゃバカにされます。

そんなキャリアの浅い奴に何が出来る、と。

演劇界はかなり偏りのある世界で、コネや繋がりが第一。

その次に、実績が第一。

新人の言うことは、なかなか聞いてももらえない。

長く続けてる人ほど、

「こうでなきゃだめ」「ああでなきゃおかしい」

っていう固定観念が形成されやすい。

特に成功してる人は。

自分のやってきた方法が正しい!と思ってるから。

それに演劇の世界は、やっぱり男の人が圧倒的に力を持ってる。

小劇団なんて、男社会と言っていい。

女の学生が演出、と聞いて、

「その劇団、あかんな」とうちの劇団を批判した人の数は多い。

私はそれを絶対に覆してやるつもりでいます。

性別とか関係ない、職業とか関係ない。

何かを本当に発散できる人であれば、絶対に関係ない。


だからこそ、今何かを吸収しておかないと、と思って。

ちょっと焦ってしまってる。

見たいものを見て、しっかり糧にしていこうと思ってるけど。

焦り過ぎないように、少しずつ、吸収しないと。



7月は少なめですが、多少はいろいろ見ようと思います。

うーん、散財…苦笑

The O.C.

ああ。。

The O.C.の最終回見て号泣しました。

マリッサ…

ライアン、切なすぎる…

っていうかセス!!!!!

サマーを置いていかないで!!

もうあかん、号泣です…

キルスティンの涙にやられ、

最後のマリッサの「愛してる」にやられ、

セスの精一杯の冷たさにやられました。


って、見てない人には全くわからん話ですね。笑

海外ドラマです。

よくあるアメリカンなストーリーですが…

日本の昼ドラよりはマシ。笑

でも、マリッサ役のミーシャ・バートンがかわいすぎます。

個人的には、セス役のアダム・ブロディはめっちゃタイプ!

かっこいいと言えばかっこいいけど、愛嬌のある顔、

そして3枚目キャラの情けないヤツ…

完全に好きです、ああいうの。笑


ともかく、地上波のシーズン1が終わりました。

シーズン2はいつから始まるのでしょうか…

ああああ、明日昼前には研究室におらなあかんのに…

早く寝よう…

うううう。。

売込隊ビーム

観てきました、生芝居。

やっぱり芝居は生に限る!


売込隊ビーム 「最前線にて待機」

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08.05.30 Fri

at 新ABCホール

中之島演劇祭2008参加作品



かなりやられました。

以下はレビュー、めちゃくちゃネタバレです。


注意ネタバレ注意 続きを読む
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