観てきました、生芝居。

やっぱり芝居は生に限る!


売込隊ビーム 「最前線にて待機」

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08.05.30 Fri

at 新ABCホール

中之島演劇祭2008参加作品



かなりやられました。

以下はレビュー、めちゃくちゃネタバレです。


注意ネタバレ注意
あらすじ

舞台はとある戦場。救援物資を待つ隊と、救援物資を持っていく隊。
二つの隊がいるのは、敵地との最前線バリケード前。
ところが、なぜかバリケードを挟んで向かい合ってしまった。
どっちが自陣でどっちが敵陣…?
バリケードを壊して合流を果たすものの、
「本隊に帰る」「ここで待機」、とそれぞれの隊もごちゃごちゃになり、
言い分を主張して言い合いの繰り返し。
その間にも敵の飛行機は頭上を通過する…

すると、突然パラシュートと共に、通信部の副長が降りてくる。
ダンス、バリケードの組み換え、セクハラ、握手、
ただのとんでもない人間かと思いきや、床から突然現れる修理工。
そしてもうひとつのパラシュートが最前線に降り立った。

隊に同行していたカメラマンのフィルムが再び現れた修理工に持ち去られ、
劣勢で戦意を喪失しつつある兵士への励ましで写真が必要だったこと、
そのためにフィルムが本隊に渡る必要があったこと、
カメラマンを連れ帰るため副長が派遣された、ということを知る。
そしてここが修理によって動かされていた時計台の上であり、
敵に完全に包囲されていて逃げ道はないこと、
「最後の作戦」として時計台に命を懸けて残らねばならないことも。

「作戦」とは、東経135度の通る時計台を死守するために、
本隊最後の爆撃機によって時計台を爆撃する、というものであった。
時計が動いていたために隊が入れ違ってしまった、
それがわかったときにはもう、爆撃機は時計台に向かって離陸していた。

死にたくない、本隊に従う、死にたくない、踊ろう、死にたくない…
刻一刻と爆撃機の到着は迫る。
そしてついに、動く時計台の上に運命のときはやってきた。

踊る兵士。
その頭上から降り注ぐ銃弾の雨。
最後まで「死にたくない」と願った男が倒れたとき、舞台は幕を閉じる。



↑私の独断でまとめたあらすじです。

 ご了承ください。。



まず、驚くべきは舞台。

円形の回る舞台。

ストーリーの進行に合わせてごろごろと回る。

しかも、人力で!!!!

外からは全くそう見えませんでした。

てっきり電動かと…

これには観客全員驚き。

まず発想がすごい…


そして、役者の演技力の高さ。

会話劇ということで、テンポがいい。

でも一番すごいのは、「目」。

目が違う。

目が演技してる、一番。

本当に死に直面したとき、助かろうとするとき、

人間の一番醜い面を見たとき。

目から出る演技力に、ただただ驚き。


そして、演出と脚本の構成力。

とてもじゃないけれど、簡単に伏線が、なんて言えない。

全ての舞台上の物に意味があり、

全ての台詞に無駄がない。

計算しつくされた展開に、感服。

とても1時間半弱とは思えない時間の濃さ、

これがまさに演劇か、という完成度。


私のやりたい演劇に近く、衝撃的でした。

逆に演劇やめようかと思ったぐらい。笑

こういう領域になるまで、どれだけかかるんだろうか。

とりあえず、もっと自分の表現したいことに向き合わないと。

何が表したいのか、それを具体的にして、

具体的に形にしていけたら。

とりあえず11月にまた公演あるし、また作演出やし。

みんな、今のところはまだ私についてきてくれる、って。

いきなりうまくはいかんやろうけど、

それでも目指すところまでやってみようと。


かなりいい刺激でした。

ちなみに、あと3週連続で中之島演劇祭に行きます。笑

散財…

でも、ヨーロッパ企画  スクエア  リリパットアーミー?と、

関西を代表する劇団の連続上演、

見逃すわけにはいきません。

ということで、来週なんか稽古取りやめにして団員全員で観劇です。笑

浸かってます。

でも、なかなかいい浸かり心地。

すっかり売込隊の大ファンです。

ラストシーンは衝撃、泣いた。

あんな衝撃、私も与えてみたい!


ということで、

演劇学専攻の学生として、

劇団の作演出役者として、

まだまだどっぷり浸かっていきます。


マニアックな日記にお付き合いくださり、

ありがとうございました…苦笑